訪問看護でバイトするって不安しか無いわ……。


1人であれこれやらないといけないイメージありますね。
病棟経験しかない看護師さんにとって訪問看護は未知の世界と感じていませんか?
訪問看護に興味はあるけど、どんなことに気を付けたらいいのだろう。
いずれは訪問看護師として働きたいので、まずはバイトから始めたいけど色々不安だ。
そんな悩みを解決する一助となる記事を作成しました。
この記事では訪問看護のバイトをする際に知っておくべきデメリットを労働者側と雇用主側から3つずつ紹介し、その対策を解説します。
この記事がオススメな方
- 看護師としての経験が1ヶ月以上の方
- 訪問看護師に興味はあるが一歩踏み出せない方
- 訪問看護でバイトやパートで働くことを考えている方
労働者(あなた側)のデメリット

業務量の増加により、心身への負担が増す
私、いま病院でも働いてるんだけど、訪問看護のバイトがしんどかったら長くやっていけるか不安だわ。


残念ですが「しんどくない」とは言い切れません。
バイトやパート等の非正規雇用で働く場合、今現在勤めている職場に追加するケースがあります。
所謂ダブルワークです。
病院や介護施設で働いている方は想像しやすいと思いますが、ダブルワークで更に看護業務を増やすことはかなり疲労が溜まります。

僕の実体験を1つご紹介します。
僕は以前総合病院で働いていました。
病院の給与では足りないと感じた僕は有料老人ホームのバイトに応募しました。
その時のタイムテーブルがこんな感じです。



これは本業の夜勤明けの日に、老人ホームのバイトの夜勤に入る状況です。
しんどい。
家事もそこそこしかできませんし、子どものことをする余裕なんてもっとありません。
この働き方を3ヶ月程度続けたある日、妻から「もうバイトやめて」と強く言われて辞めました。
家庭を顧みない働き方は家族も追い詰めます。
何のために仕事をしているのかを考えさせられました。
こんな状況になるのはイヤだな……。

ダブルワークである以上、訪問看護のバイトでも似た様な状況になることが予想されます。
ダブルワークを乗り切る為には時間管理が重要となります。
まず、実生活の中にどれだけの余白があるのかをまず考えましょう。
考える為にはアプリを使うのがオススメです。
上記のタイムテーブルを作成した無料アプリを紹介します。
まずは過去、未来でも構いませんので1週間程度のタイムテーブルを作成してみましょう。
すると隙間時間の存在に気が付くことができます。
隙間時間にルーティン家事をねじ込みます。
ねじ込みまくった結果、僕は週に1度4時間程度の空き時間を作ることに成功しました。
根本的な解決にはなりませんが、ダブルワークを行う以上は効率的に動く必要があります。
その為にも、今までの生活の無駄を削ぎ落とし、時間の確保に努めましょう。
バイトの時点で評価が悪くなってしまうと入職が難しくなる
バイト先で上手くやっていけなくて悪い評判が立ったらイヤだなあ。


真面目に仕事をこなせば悪評が立つことはまず有り得ませんが、バイトならではの悪評もあります。
ゆくゆくは気に入った訪問看護ステーションで正規雇用されたいと思っても、悪評が立っては正規雇用が遠のきます。
悪評を立てない為にはどうするか。
悪評に繋がる行動を挙げましたので、当てはまる項目があれば改善していきましょう。
悪評に繋がるもの
- 遅刻する
- 笑顔が無い
- 挨拶をしない
- メモを取らない
- 不満、愚痴が多い
- 消極的、受け身の姿勢
社会人として当たり前のことですが、看護師さんの中には「バイトだから」といってこれらが出来ていない方をちらほら見かけます。
私、メモ取らない派なんだけど。


メモを取るフリで構いません。
要は「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」とアピールが出来ればよいのです。
これらが当てはまらずとも、悪評が立つことがあります。
それがバイトやパートといった「非正規雇用だから」という理由です。
は?
どうしようもないじゃん!


どうしようもありません。いくら中身が素晴らしくとも、肩書きで判断する利用者さんがいなくならない限りこの問題は解決しません。
ただ雇用主側目線で言えば上記の悪評リストに当てはまっていないスタッフは、利用者さん側に何か問題があるのかも、と考えます。
真面目に仕事をすることは、巡り巡って自分の将来性も守ってくれるものと思いましょう。

ちなみにサボったりするのはバレますよ。バレているけど指摘しないだけです。
他にも試したい事業所があったのに、スタッフや利用者の説得で就職してしまう可能性がある

私頼まれたら断れない性格なんです。

体感、看護師さんにはこういう性格の方が多いと思いますが、こんな性格の方は要注意です。
この性格の方は責任感が強い傾向にあります。
つまり

あかりさんがいたら本当に助かるわ。ウチもそろそろ看護師さん増やしていきたいと思ってるんだけど、あかりさんいっそ就職するのはどうかな?
私から人事に上手く伝えとくから、待遇もちゃんと希望に沿うようにしてくれると思うよ。
一緒に働けると私もみんなも助かるわ。
こんな風に言われたらもう断れません。

(ほんとは気になってたステーションもうひとつあったんだけどなあ)
あ、分かりました。少し考えさせてください……。
と、断るに断れず、ずるずると気が付けば就職しています。
上司からでは無く、利用者さんから言われる場合もあります。

あんたはほんまにええ看護師さんや。
わたしはあんたにずっと診てもらいたいわ。
利用者さんから認めてもらえたり褒めてもらえたりすると嬉しくなります。
自分のケアが間違ってなかった。受け入れてくれていると感じることが出来るからです。

このステーションは利用者さんも穏やかな人が多いな……。就職してもいいのかなー……。
これはもう98%就職します。
他の事業所を試す前にこうなると、そこが本当にいい場所かどうかは運任せ。直感で選んだのと変わりません。
次にバイトしようと考えていた事業所はもっと理想通りでもっと待遇がよくて、もっとあなたを評価してくれる場所だったかもしれません。

逆の可能性もありますが。
どちらにせよ、今選んだ場所が本当に良かったのかどうかの判断材料が少ないまま正規雇用を決めることになるのです。
もし正規雇用を促されたとしても、いったん保留にするべきです。
本当に評価してくれている場所なら、自分の都合も聞いてくれます。
率直に「他の場所を試したい」というのは相手側の印象が悪くなりますので、

家庭の都合で今はバイトでお願いします。
とでも言うのがベターでしょう。
そして他の事業所も試し、他の事業所が自分に合うならそちらを。合わなければ保留していたところを選べば良いのです。
比較しなければ、相場が分かりません。
相場が分からなければ、自分が本当に納得して働ける場所かどうかも分かりません。
正規雇用を決めるのは慎重になりましょう。
雇用主(相手側)のデメリット

いつ辞められてもおかしくないので依存はできない
訪問看護のバイトだるい。辞めたくなってきたわ。


ええ?まだ働き始めて10日くらいじゃありませんでしたっけ?
バイトは気軽に辞めていきます。
正規雇用された大体の人は、退職日の最低1ヶ月前には退職の意思を上司に伝えます。
ですが、バイトはすぐ辞めます。
前日に辞めると言い出すこともあれば、当日、連絡も無しに辞めることもあります。
バイトがいる前提で訪問の予定を組んでいたとしたらどうでしょう。
終わりです。
僕の体験談をここでも1つ紹介します。

ゆりこさん、明日でバイト10日目ですね。
どうですか、やっていけそうです?
管理者さん、ありがとうございます!訪問看護って新しい体験で新鮮です!明日もよろしくお願いします!


こちらこそよろしくお願いします!お疲れさまでした!
次の日

……来ないねぇ……。
こういう時、電話も絶対繋がらないんですよね。
僕の看護師経験10年間で、こういう方は20人に1人くらいなのでそこまで頻度高く当たる訳ではありません。
実際管理する側になるとこういう方は本当に困ります。
なので、バイトには多くの仕事を割り振ることはしません。
多くの仕事を割り振る、つまり依存してしまうと急に来なくなった時の対処が出来ませんからね。
労働者の心得
自分が辞める意思を表す時は、必ず報告を行うことを約束しておきましょう。
具体的には、「就業規則で辞職はいつぐらい前に言うべきですか」と上司に聞いておくのが有効です。
雇用主側もバイトはいつ辞めてもおかしくないと捉えています。
問題は急にいなくなることであって、辞めることではありません。
労働者側が辞める際にはこういう手続きを踏むべきなのだな、と理解してもらえているだけで雇用主側は安心できます。
希望シフトが訪問の予定とかみ合わないことがある
本業が忙しい!訪問看護のバイト、シフト減らそっかな。


働きすぎも良くないですからねー。
正規雇用スタッフの場合、原則シフト通りに働いてもらいます。
ウチは希望休も取りますが、ステーションによってはシフト調整手当と称して、いくらかの手当を支給する代わりに希望休を認めない事業所があるそうです。
子どもの用事とかイベント事どうすんのよ!なんだそれ!


そういう仕事最優先がモットーな事業所も少なくはありません。
ですが、バイトは原則希望シフト通りです。バイト側が調整可能ということですね。
雇用主側からすればその日に必要な人数が必ず確保できない可能性があります。
逆にその日必要のない人数を配置する可能性もあります。
平日いけます。土日無理です。


月曜日と日曜日行けます。早朝の勤務はちょっと……。
早朝勤務大丈夫っす。月、火、木、金、土行けます。
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パズルじゃ……。
利用者さんの予定を組むのもあれこれ考えてパズル状態に加え、バイトスタッフの希望シフトを反映させると頭がこんがらがります。

ツイスターゲームしながらルービックキューブをしている気分です。
労働者の心得
求人情報以上に対応できないかどうかを考えておきましょう。
雇用主としても柔軟にシフト対応してくれる方が助かります。
そして希望シフトを減らしたいなら、意思を伝えた後1~2週間程度は減らす前のシフトで働けるよう早めに伝えましょう。
利用者さんとの信頼関係に影響を及ぼす可能性がある
利用者さんから注意受けちゃったよ……。


バイトスタッフには正規雇用ほど教育に時間がかけられていません。
教育期間や労働時間が正規雇用の職員に比べ短い為、利用者さんの訪問内容の申し送りが足りず、クレームに繋がることがあります。
利用者さんからのクレームを放置した場合、利用者満足度は低下し、最悪の場合信頼関係の崩壊を招きます。
理不尽ですが、知らなかったあなたの責任になりかねません。
大事なことなら言ってよ!


長い付き合いとなる利用者さんの場合、それが当たり前として認知されていて情報共有する側も言うのを忘れてしまうことがあるのです。これはステーション側も問題ですね。申し訳ない。
労働者の心得
自分のせいにされないよう、根掘り葉掘り上司に聞きましょう。
細かい説明等が多い場合は録音アプリの使用もオススメです。
文字起こしが出来るなら一覧性も高いのでよりオススメです。
iPhoneの場合
「メモ」アプリを開く→文字入力画面のマイクアイコンをタップ→音声入力できる状態で話を聞く。
この方法で文字起こしすることが出来ます。
※文字入力画面でマイクアイコンが無い方は「設定」→「一般」→「キーボード」→「音声入力」をオンにしましょう。
androidの場合
機種によって変わると思いますが、基本的に文字入力画面にマイクのアイコンがあれば使用できます。
別の方法としては「設定」→「ユーザー補助」→「聴覚補助」→「音声文字変換」を起動する方法があります。
ただ保存は出来ないものもあるので事前にテストしておきましょう。
まとめ

訪問看護ステーションでバイトする際のデメリットを計6つ紹介しました。
労働者のデメリット
- 業務量の増加により、心身への負担が増す
- バイトの時点で評価が悪くなってしまうと入職が難しくなる
- 他にも試したい事業所があったのに、スタッフや利用者の説得で就職してしまう可能性がある
雇用主のデメリット
- いつ辞められてもおかしくないので依存はできない
- 希望シフトが訪問の予定とかみ合わないことがある
- 利用者さんとの信頼関係に影響を及ぼす可能性がある
雇用主のデメリットに関しては労働者の心得としてどのように立ち回るべきかも解説させていただきました。
どんな事業所も悩んでいることは大体似通っています。
適した働き方を模索し、後悔のない訪問看護ステーションバイトに挑戦ください。