訪問看護ってあるじゃん?病院辞めてやってみよっかなーて思うのよ


いいですね!在宅看護って憧れます!給与も高いって聞きますし。
そうそう、でも給料高い分不安なんだよねー。めっちゃ忙しくて残業だらけとか嫌だからなあ


うーん……バイトとか募集してないんですかね?
バイトかあ……

訪問看護師が気になるもののいきなり新しい職務に飛び込むのは勇気が必要です。
オススメなのは今の職場で働きつつ、バイトで訪問看護を経験することです。
この記事はこんな人にオススメ
- 訪問看護に興味がある看護師さん
- 病院は辞めたいけれど、看護は続けたい看護師さん
- 病院や介護施設のような型にハマるのがイヤな看護師さん
この記事を読むと分かること
- 訪問看護ステーションでバイトするメリット
- 訪問看護ステーションの雇う側の心理
- 訪問看護のバイトで採用される為のコツ
この記事ではメリットのみに絞って記事作成されています。
デメリットも知りたい方は作成中ですのでしばらくお待ちください。
結論
まず結論からお伝えします。
訪問看護ステーションでバイトするメリット3つはこちら。
労働者側のメリット
- 現在の勤務先を辞めることなく、訪問看護の実際を体験することができる
- 他の事業所と掛け持ちすれば、比較することができる
- 訪問範囲や利用者の傾向をより詳細に把握することができる
さらに雇用主側のメリット3つがこちら
雇用主側のメリット
- あなたのことを正規雇用したい人材かどうか判断ができる
- 気に入ってもらえれば人材確保の幅が広がる
- 繁忙期や閑散期に人件費の調整ができる
この労働者と雇用主の双方のメリットを合わせて3+3選とさせていただきました。
訪問看護のバイトはあなた側だけにメリットのあるものではありません。
相手側のメリットも知ることで面接時に相手の求めている回答ができます。
自分に合いそうな訪問看護ステーションを見つけても採用されなければ意味がありません。
雇用主のメリットも把握して自分の売り込み方の参考にしてください。
労働者(あなた側)のメリット3選

まずは労働者側、つまりあなた側のメリット3つについて詳しく解説をしていきます。
現在の勤務先を辞めることなく、訪問看護の実際を経験することができる
バイトの代表的なメリットって感じ


本業を辞める必要が無いので、転職に比べリスクを抑えられます
訪問看護がそもそも自分に合うかどうかはやってみないと分かりません。
経験するにしてもいきなり転職は無謀です。
思い切った行動も時には必要ですが、事前に環境などについて調べておいた方がその後の労働環境をより良いものにできます。
イヤになったら辞めればいいもんね


気に入ったらそのまま転職考えても良いですよねー
バイトを辞めたとしてもお金はもらえますし、何より経験になります。
でも正直病院で働きながらバイトするのしんどいんだけど……


そんな時は単発に対応した派遣会社に登録しましょう。
オススメは僕も使用したことのあるメディカルコンシェルジュ(MCナースネット)です。
こちらは単発のバイトにも対応していますし、担当の方も親身になって話を聞いてくれるので、希望の求人が見つかりやすいです。
事業所とのやりとりも担当者の方がしてくれるので、自分でやらなければいけない手間が減ります。
早い求人ですと「明日いきなり行く」ということも可能ですので、訪問看護ステーションでのバイトに限らず、本業以外の看護師バイトを探している方にはオススメです。
他の事業所と掛け持ちすれば、比較することができる
いざバイトするにしてもどんなところを選べばいいか分からないわね……


基準や平均が分からないのでどんなステーションでバイトをするか悩みますよね
先ほどのメディカルコンシェルジュで求人を探す以外の方法は手っ取り早く「家から一番近い訪問看護ステーション」に決めてみることです。
そこで数ヶ月程度働いてみて、特に気に入ったポイントも無ければ一度お休みします。
「本業が繁忙期の為」等、相手に止むを得ないと思わせる理由で休むのがよいでしょう。
そしてまた求人を探す、「家から2番目に近い訪問看護ステーション」でバイトしてみるのです。
何のために?掛け持ちしすぎて死ぬわ!


お、落ち着いて下さい。
これは「比較」を行う為です。
最初にバイトしてみたステーションを基準として、2番目に働くステーションは比較ができます。
具体例としては
訪問看護ステーションA | 訪問看護ステーションB | |
社用車 | あり | なし |
直行直帰 | なし | あり |
電子カルテ | あり | あり |
緊急訪問 | 多い | 少ない |
市外への訪問 | あり | なし |
人間関係 | まあまあ | Aより良い印象 |
愚痴 | 多い | 少ない |
給与 | Bより高い | Aより低い |
等の違いです。
自分の理想を全て満たす訪問看護ステーションはありません。大事なのは、何を重視するか、何を妥協するかです。
給与は低くとも人間関係が少しでも良好なところを求めるならステーションBの方が良いですし、人間関係なんて気にせず給与のみを求めるならAです。
何を重視すればいいか分からないという方は、比較対象を多くすれば自分の好き嫌いといった感性から具体的な方向性が見えてきます。
一気に3ヵ所以上のステーションでバイトするとかなり具体的な道筋も見えてくるのですが、そこまで掛け持ちするとシンプルにしんどいです。
死ぬ……死んでしまう。忙しすぎて頭回らんよ


時間をかけてもいいなら、1つのステーションを数ヶ月程度働いて辞める。違うステーションでまた半年……と1~2年の長期間で考えるのも良いです。
必ず比較する必要があるかと言えばそうではありません。
なんでもいいから訪問看護ステーションでバイトしてみて、良い感じだったのでそのまま就職する過程も僕は良いと思っています。
比較した方が自分の思いや考えとの齟齬を少なくし、失敗を避けられる確率が高くなりますが、絶対に上手くいく訳ではありません。
ただ、僕は比較を勧めます。出来る限り失敗を避けたいからです。
訪問範囲や利用者の傾向をより詳細に把握することができる
これはどういうメリットなの?


見学だけでは訪問範囲や利用者の傾向は分かりません。実際に働くことでどこまで訪問で移動するのか、どんな利用者さんがいるのかが分かります。
訪問範囲とは?
- 訪問看護ステーションの事業所を中心として半径〇kmの様な訪問可能範囲
- ステーションにより範囲は異なる
- 5kmくらい(片道20分程度)が一般的な範囲
- 事業所によっては「サテライト」拠点を設け、訪問範囲の拡大に対応している
訪問範囲が広いと、往復の移動時間で1時間以上かかる場合があります。端から端まで移動ともなるとなかなか大変です。
これの何が問題かというと、運転に集中する時間が長くなってしまうことです。
運転に慣れている方であればまだしも、久しぶりに運転する方や、長距離の運転は苦手な方にとってこれは避けたいはずです。
また、範囲の広さから応援を要請しても到着が遅れます。
急変が起こった時に応援を呼んでも、来てくれない時間が長ければ長いほど不安を増長させる要因になります。

上記の理由から、訪問範囲が狭いところを訪問看護初心者向きとしています。
転職も視野に入れているなら訪問範囲が狭いところを候補にしましょう。
利用者さんの傾向とは?
- ステーションによって得意な疾患や訪問内容がある
- ケアマネージャーさんが担当している利用者さんによりその傾向が強まる
- 特定のクリニックから利用者紹介が多く、診療科が偏っている場合もある
実績に問題の無い訪問看護ステーションは、ケアマネージャーさんからの評判も良いです。
その為ケアマネージャーさんから優先的に、利用者さんへの訪問看護を依頼されることがあります。
ケアマネージャーさんが担当している利用者さんは千差万別ですが、得意不得意で少々偏りがあります。
その偏りがステーションの傾向に影響してくるのです。
あるステーションは終末期の利用者さんばかりで、オンコールもガンガン鳴っている。
あるステーションは施設に入居している利用者さんばかりで、リハビリや服薬管理の業務が多い。
どちらが良いステーションかという質問は不毛です。
どちらも利用者さんのニーズに応えてきた結果、傾向に差が出る過程があります。
大事なのは、あなたにとってどちらのステーションが性に合うか、です。
雇用主(相手側)のメリット3選

雇用主にもメリットがあり、理解することで面接時にどのような回答を期待されているのか予想することもできます。
あなたのことを正規雇用したい人材かどうか判断ができる

人を雇うとお金がかかります。
何を当たり前なことを……。


お金を出してまで人を雇いたいのはなぜでしょう?
人がいないと仕事が成り立たないからじゃないの?

訪問看護ステーションは看護師が常勤換算で2.5人必要で、常勤が最低1人は必要です。
最低限の運営をするにしてもある程度人数が必要なのです。
人数を揃えるなら人を雇います。
ですが、正規雇用したくなる人材かどうかを見極めるのは面接だけでは困難です。
バイトであれば正規雇用の人材より人件費がかからない上に仕事ぶりを見たり、周りからの評価を参考にすることができます。
雇用主に良い評価を与えるもの
- 挨拶をする
- スタッフと積極的にコミュニケーションをとる
- 真面目に仕事に取り組む姿勢を見せる
- 無遅刻、無欠勤
- 止むを得ず遅刻、欠勤する場合は必ず連絡する
以前他のステーションの管理者や、自社の人事担当と話をして知ったのですが、「優秀な人材より安定した人材」が重宝されています。
優秀な人材は自分で道を切り拓くことができます。企業からすれば革新的な考えを取り入れて空気を変えてくれる存在にもなる一方で、企業の枠には収まらない……つまり独立して成功する可能性を秘めています。
また革新的なやり方は個人の手法、思考が反映される要素が強く、引き継いだ者が同じように運営しようとしても上手くいきません。
長期的に安定した運営を目指すのであれば、優秀な人材より安定した人材なのです。

雇用主側から安定した人材と認識してもらえると、正規雇用も視野に入れてくれます
逆に……遅刻が多かったり、仕事に不真面目だったりするとどうなるの?


勤務日数の減少か、解雇か、配置転換を考慮に入れます。特に配置転換は可能性が高まりますね……。
評価を上げたいなら、任せられた仕事はきっちりとこなすことをまず意識しましょう。
気に入ってもらえれば人材確保の幅が広がる
めっちゃ待遇のいいステーションのバイト見つけたのよ!スタッフさんも優しいし、社用車もあるし、電子カルテだし給料も高いの!


良いステーションに巡りあえてよかったですね!それはあなたの友達にも紹介できそうですか?
もちろんだよ!友達にもオススメしたい!

自分のサービスを人に売り込むときに活用する手段として口コミがあります。
ここの訪問看護ステーションは真面目な人が多い。丁寧な人が多い。優しい人が多い。

そんな評判のある訪問看護ステーションにはプラスのイメージを持てます。
実際に働いてみて評判通りのステーションならば、友達に紹介してあげたくなりませんか?
雇用主側からすると、ステーション全体の雰囲気づくりを良くすれば離職率の低下、雇用拡大を狙えます。
良いステーションであればバイトやパートから口コミで良い評判が広まります。
あなたに友達や知人が多いなら是非、面接時にはセールスポイントにしましょう。
コミュニケーション能力があることにも関連づけられますのでマイナスな印象にはなりません。
あたし、ツレ多いっすよ!

では無く、

学生時代は数人規模で実習に取り組んでいました。今でもその友人たちとは交流があります。
と伝えるのが良いでしょう。
繁忙期や閑散期に人件費の調整ができる
新規の依頼が立て続けにあった場合、退院前カンファレンス、契約書の説明、担当者会議等に追われる為スタッフは大忙しです。
あたしの出番だ!現場はあたしが回す!

逆に訪問看護を中止したり、介入終了した利用者さんが増えると一気にヒマになります。
そんな時にバイトに来てもらっても人件費が多くかかるだけなので、バイトのシフトを減らして調整することができます。
やることねぇ……

雇用主側としては繁忙期のことも考えて、人材は少し余裕を持たせておきたいものです。
バイトを応募したタイミングが繁忙期か閑散期かの判断は難しいですが、どちらでも対応できることを伝えておくのはプラスの印象になるでしょう。
ヒマでも忙しくてもあたし大丈夫っすよ!

では無く、

病院では入退院が多かったので業務量は常に変化していました。空いた時間も有効活用して業務の効率化を図る病棟でしたので、こちらでもその経験が活かせたらと存じます。
と伝えるのが良いでしょう。
まとめ

訪問看護ステーションでバイトするメリットを労働者と雇用主の両面から3つずつ解説しました。
労働者のメリットはあまりリスクを背負わなくていいところです。
実際に転職したいと思えるくらいのステーションが見つかれば頑張って仕事をすればいいですし、待遇面や人間関係で不審な面があるならさっさと辞めて違うステーションを試してみればよいのです。
また雇用主側のメリットを知ることで、面接時にどのような内容を伝えるべきかが理解いただけたかと思います。
両方のメリットを把握した上で自分の理想に近い訪問看護ステーションを探していきましょう。